あれもこれもしなければ、と思っていた連休は、あれもこれもどれもしないまま幕を閉じました。お墓参りだの、親戚の来訪だのと準備に忙しいのは家族ばかりで、猫の手ほどにも役立たない私の居場所が家の中にあるだけでもありがたく思わねばなりません。
そんな連休の中程、「富弘美術館」http://www.tomihiro.jp/index.htmlへ行ってまいりました。誰と行ったか?そんなことは聞かないでください。いまだに年老いた家族だけが頼りです。
星野富弘さんは若き日の大けががもとで四肢が不自由となり、口に筆をくわえて描かれていますが、その作品は星野さんの心そのもの。正確に写し取られた花たちは、それぞれが強い力を放っています。きっと、心で見て、心で描くってこういうことだ、目が映像をとらえることが「見る」だと思っていると、いつか必ず何も見えなくなってしまうのではないか、などと、ガラにもなくセンチメンタルな気持ちになり、道の駅でシシトウとピーマンとなすを買って(正確には母に買わせて、素揚げにしろと注文をつけ)、群馬をあとにしました。
心の目といえば
夏と秋と ゆきかふ空の かよひぢは かたへ涼しき 風や吹くらむ
大好きな歌です。夏と秋が入れ替わるこの時期、空の片方は涼しい風が吹いているのだろうか...詠み手の凡河内躬恒と同じ気持ち(になったつもり)でせせらぎの空を見上げてみました。ええっと、どっち側が涼しいのかな......
まだまだ心では何も見えませんね。
ま、いっか。
【きら】